ここは、田舎から出てきたどこーにでもいそうな学生≪ちくわ≫が、日常に流れているあれやこれやを拾い集めて、ある日はすりつぶし、ある日はこねまわし、ひそやかに物語に練りなおしてゆく――そんな場所なのです。

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『名探偵コナン』78巻発売。 ミステリートレイン編について改めて考えてみた。

完璧なんてこの世にはねぇよ。
絶対どこかで歯車が噛み合わなくなる。
そのまま無理矢理動かして何もかもダメにするか
一度リセットして正常に戻すかはその人次第。
アンタは怖かっただけだよ……リセットするのがな。
(『劇場版名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』)

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『名探偵コナン』を好きになって10年が経つ。
(最初に録画した回が2003年1月の『揺れる警視庁 1200万人の人質』だったと記憶しているので、ちょうど10年だなぁ)
まずアニメを毎週見るようになり、途中から古本で過去の巻を集め始め、高校に入る頃には新刊が出るたび書店で買うようになっていた。
いまでは少年サンデーの連載を毎週読んでいる。
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そして、一部の世間を騒がせた"ベルツリー急行殺人事件"も、この夏サンデー誌上で読んだ。

78巻も発売されたことだし、その事件……ミステリートレイン編についてそろそろ書くことにしてみた。

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当然ネタバレの嵐なので読んでない方はここでさようなら!
(きっと来年の初夏にはアニメ化されますのでお楽しみに(?) )
続きを読む方は↓を展開してください

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さて、ベルツリー急行殺人事件(ミステリートレイン編)は、最近「日本中が話題騒然となった」という宣伝文句に続いて語られる。
もちろん日本中の「コナン読者が」ということなわけだけど、僕の見る限り、楽しい騒ぎ方ばかりではなかった。

これは、過去にないほど数々の批判を受けた事件だった、と思う。

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よくつっこまれていた点としては
・誇大広告だったこと
・世界観が壊されたこと
・展開に矛盾が多いこと

・主人公コナンが蚊帳の外であったこと

などがあげられるだろうか。

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順番に見ていこう。

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・誇大広告だったこと
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「真実にもっとも近づく」とか嘘やん、っていう話だ。
でもこれは仕方ない。作者の責任じゃない。
よく、10年引っ張ったテープの伏線が大して重要な内容じゃなかった等々叩かれているのを見るが、「いつからテープの内容が今回描かれた分で全部だと錯覚していた?」と反論できなくもないので保留。
僕は伏線回収に関しては「拾ってくれただけでも待ってた甲斐があった」と思ってしまうので、ここらへんはわりと寛容。

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・世界観が壊されたこと

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一番問題視されているのは、『キッドがシェリーに変装するという衝撃のオチが使われたこと』だろう。
組織編にキッドがかかわるのはタブーだよねという、それこそ暗黙の了解が、こうもあっさり崩されてしまった。

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もっとも僕個人の感想としては、ネタとしては面白かった
あの状況では確かに読者の意表をつけただろうし、キッドが来る伏線は1話目の蘭と園子の会話で一応張られていた。
そもそも、各話タイトルの『ミステリートレイン』のあとに二字熟語の副題がついていたのも、キッド登場の伏線だとは思う。

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正直、このキッド変装オチは劇場版で使えば最高だったのに、と思う。
劇場版であれば、あくまであれはパラレルだから、と批判をやりすごすこともできただろうし。
組織編とキッドの夢の共演!だけど原作では超えちゃいけないラインだよね~みたいな話をわいわいしたかったよ……

基本的に青山先生の味方だけど、これに関してはちとフォローしづらい。

トータルでみてこれは失敗だよなぁ……。

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次によく言われるのは、有希子とベルモットの再会
僕もこれはやめとくべきだったと思う。
13作目の劇場版『漆黒の追跡者』でコナンとベルモットが仲良くおしゃべり(!?)するシーンが出てきたときにも、「あちゃーこりゃいかんやろ」と思ったが、まぁあれは映画だからと許せる部分もあった。

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しかし今回、あの再会によって、ベルモットの価値基準や組織の冷酷なイメージがブレにブレた

あの状況でベルモットが有希子を殺さないのはなぜ?

友達だから?

これじゃあ新一や蘭が特別扱いされている意味が消えてしまう。

緊張感は崩れていった。
まぁ、こっちに関しては多少フォローの余地はありそうな気がするが、まだまだほかに書きたいことがあるので今回は保留。

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・展開に矛盾が多いこと

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これも色々言われていて、全部言い出すときりがないので、今回は「コナンの作戦とはなんだったのか?」に絞って書こうと思う。

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コナンは少なくとも組織があの列車に乗っている可能性があることをあらかじめ知っていた
『スペシャルコーチ』冒頭の

「奴らがあの列車に乗り込んでくるかどうかはまだ半信半疑じゃったからのォ…」

という博士の発言から明らかである。
まぁ、そこまでいかずとも、(フェイクにしろ使うためだったにしろ)変装道具の準備をした有希子が同乗しているのだから、ここは間違いないだろう。

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しかし、「組織の人間が列車にくる恐れがある」とわかるためには、「組織の人間が『シェリーがミステリートレインに乗る』と知った恐れがある」ということをコナンサイドが知っている必要がある。
つまり、パスリングをはめたシェリーの映像が組織に見られたかもしれない、という認識をコナンは持っていた。
ではどうやって知ったのだろう?

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そもそもコナンは、ミステリートレインのパスリングをはめたシェリーの映像が光彦によって撮影されていたことを前話(『灯火の孤影』)の時点では知らない。
当然それが世良に見られたことも、小五郎に送られたことも、安室がそれを盗み見たことも知らない。
もちろん、少年探偵団がコナンに話したとも考えられなくはないが、
その時点でコナンが知っていれば、そもそも小五郎に動画を送るのを早い段階で阻止するだろう。

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順当に考えるなら、小五郎のパソコンをハッキングした沖矢がコナンに忠告したということになる。
パスリングをはめたシェリーの映像がもうネットに流れている可能性がある(実際、小五郎はネットに流せば見つかるかもしれないと話していたから、現実的な推測ではある)から、それを組織に見られて列車に乗り込まれたときの対策を練ろう、みたいな展開だろうか。

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「まってまって、そもそも沖矢は安室=バーボンだと知っていたから小五郎に送られた動画が組織の人間(安室)に見られたと思ったんじゃないの?」という意見もあるかもしれない。
確かに、『立体交差の思惑』で、沖矢が安室の顔を見て何かを悟ったともとれるコマは存在する。

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しかし、コナンは安室=バーボンの情報を、今回の事件を通して初めて知ったのだ。
(「まぁ今回の一番の収穫は、喫茶店ポアロでバイトしてた安室さんが…黒ずくめの奴らの仲間のバーボンだってわかった事だな!」/『スペシャルコーチ』)
沖矢が「安室=バーボン」と知っていたなら、それをコナンに伝えない理由は特に思いつかない。

よってやはり、「こんな映像があるんだけど、それがネットに流されているかもしれないから、組織の目に触れた可能性もある」程度のことを沖矢がコナンに伝えたと考えるのが妥当である。

(沖矢=赤井がほぼ確定した今となっては、なぜ沖矢は「安室=バーボン」とわからなかったのかという新たな謎が生まれるが、ここではそこまで掘り下げないことにする)

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では、その上でコナンが立てた作戦とはなんだったのだろう?
キッドが下見で乗り込んでくることを最初からアテにするのは無理がある。
となると、ベルモットに見抜かれた(?)方の作戦、「有希子変装案」がメインの戦略だったのだろうか?

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コナンがキッドにシェリー変装を頼んだのは火事騒ぎが起きたあとだ。
もちろん、キッド=住友だと見抜いてすぐ「キッド変装案」を考えたのだろうが、キッドが言うことを聞いてくれるかどうかなんて誰にもわからない。
そうなると、コナンや有希子はぎりぎりまで「有希子変装案」をメインの戦略として考えていたはずである。

ということはベルモットに本当に作戦を封じられたということになるけど、あれ、その割には有希子余裕そうだなぁ……あれー? とまぁこんな感じである。
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矛盾というか、もやもやが残る。
あれから半年近く経ったが、今のところ作中で真相が語られる様子もない。
この"もやもや"が読者にすっきりしない感覚を残すことになってしまった。

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・主人公コナンが蚊帳の外であったこと

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これは確かにそうだ。
この話でコナンがしたことといえば、極端にいうと、その場で偶然起きた事件を推理しただけである。

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『黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー』(原作でいうと42巻)の時にも事件は同時進行で進んでいたが、あちらは実際に事件を解いたのは平次であったし、そもそもあの事件はベルモットが新一の気を引きつけておくために用意した餌で、つまり直接の関連性があった。
平次があの場で推理ショーをすることも、新一があの場にいることを示しベルモットの裏を書くために必要であった。

今回はどうだろう?
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眠りの小五郎の推理ショーをコナンが行う必要は、特になかったように思える。
ベルモットサイドに「コナンは今動けません。灰原の守りが手薄です」とアピールすることだろうか?
しかしコナンは結局ベルモットを足止めするためにフェイクの電話をかけるという方法をとっている。
最初から灰原を見失った演技をするという方法をとればその目的は果たせる。
『二元』の時と違い、推理ショーで「本当に身動きをとれない状態」になるメリットはあまりない。
まして、なにが起こるかわからないこの状況で、武器の一つである麻酔銃を犠牲にするほどの理由はない。
どうしても犯人を逃がしたくなかったというなら、証拠の鏡だけでも押さえればとりあえず済んだはずだ。
(強いていえば、この推理ショーを通して「見逃してやったぜ」とキッドにアピールし、シェリーに変装させるための布石としたという説明もできなくはないが、少々無理がある。)

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名探偵コナンの面白さのひとつは、組織との対決の中で起きた想定外の展開に、コナンが必死で立ち向かうプロセスだ。
『黒の組織との再会』(原作でいうと24巻)や、『黒の組織との接触』(原作でいうと37-38巻)はその典型。
『二元』も前半はコナンの作戦通りに進んだものの後半は予定外の要素が重なり、コナンは次々に戦い方を変えていく。
FBIとの共闘となった『ブラックインパクト 組織の手が届く瞬間』(原作でいうと48-49巻)、『赤と黒のクラッシュ』(原作でいうと58巻前後)にしてもそこに変わりはない。

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しかし今回、コナンは何もしていないに等しい。
彼がのんびりしている間、実際に動いたのは沖矢、有希子、キッドだ。
仮にコナンが裏で何かしていたにしても、ほとんどその部分が語られなかった。

こうして、読者は感情移入するべき『ハラハラしているキャラ』を見つけられず、なんとも言えない感覚で読み進めることになった。
確かにこれも批判の対象とされても仕方ないかもしれない。

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この話に限らず、バーボン編でコナンの心情が全て読者に明かされないのは、コナンが知っていて読者が知らない(ことになっている)赤井死亡(?)にまつわる伏線がまだ回収されていないからではあるのだろう。
しかしさすがにそろそろ「困難に必死で立ち向かうコナン」を見たいものだ。

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《最後に》

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えーと、この記事ではマイナスなことばかり書きましたが、僕は名探偵コナンは大好きだし、これで愛想を尽かして読むのをやめたなんてことは全くなく、今でも毎週楽しみにサンデーを読んでいます。

コナンの記事はいつか書きたいと思ってなかなか書けずにいたので、これを機にまた色々書くと思います。

ミステリートレインについても全然書き足りないし。

あぁ、そうだ、最後にひとつだけ、最初に読んだときまっさきに言いたかったことを……。

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「ジンにスマホは合わねぇよwwwwww」

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コメント
コナンが進歩したのでは?
ひとり抱え込んで組織に真向する緊張感から
他人の力を借りること、リラックスすること

それか作者さんの切れ味が体調不良等に左右された?
期限に追われた?
作者さんのやりたいようにやってみた?

他の人の考察を見て、ベルツリーの最大の目的は
ベルモットがシェリーを殺したと報告、撤回できず
ベルモットがより一層灰原に手を出せない状況になってしまった
という考察になるほど〜と思いました。

2015/07/16(木) 21:40 | URL | #-[ 編集]
今なら沖矢が赤井だからコナンが知っていても当然だよな
2017/05/22(月) 19:42 | URL | #-[ 編集]
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